ぼろぼろの『せかいのひとびと』。
人生で一番、何度も何度も読んだ本だ。
いつも手に届くところに転がっているこの本は、昭和57年発行の初版本で、
ところどころ破れていて、セロテープが雑に貼り付けられている。
小学生の頃、暮らした町は駅前に小さな本屋があって、狭い中に児童書もたくさん並んでいたような記憶がある。
毎月のように発熱して学校を休んでいたわたしは、この小さな本屋で数冊の本を買ってもらって、朦朧としながら文字を追った。
そんな中の一冊。
妹たちや姪っ子たちも読んだのだろうか。
黄土色のしみだらけで、切れかけた綴じ糸がかろうじて繋がっている大型の絵本は
よくぞ捨てられることもなく、わたしのところに帰ってきてくれた。
なんと、そのぼろぼろの絵本はわが娘のお眼鏡に叶うことになり、人生で一番読んだ本に躍り出たのだ。
読み終わった瞬間に「もう一回!」何千回読んだか。
もう三年も読み続けているのに、まだ飽きない。
で、どんな本かというと。
みんなが それぞれに ちがっている。
っていうメッセージを表紙から最後のページまで、伝えてくれる素敵な本。
わが娘の子どもや孫も読んで欲しいそんな一冊である。
作者 : ピーター・スピアー、 松川 真弓
出版社 : 評論社
発売日 : 1982/1/20
言語 : 日本語